HiCEP受託解析サービス

HiCEP受託解析サービス

DNAマイクロアレイが作成できない生物種でも、高精度な発現解析は出来ます

HiCEP とは
HiCEP(High Coverage Expression Profiling)法は、独立行政法人放射線医学総合研究所の安倍真澄博士らが開発した包括的転写産物プロファイリング技術で、感度・再現性・網羅性の点で優れており、さらに、遺伝子資源非依存で適用できる生物種が広く、発現プロファイル法として重要なすべての点で優れており、低発現から高発現まで鮮明な発現頻度差のプロファイリング結果をご提供することが可能な手法です。このHiCEPは、メッセンジャー・スケープ株式会社が、研究者のみなさまがご満足いく成果をてにしていただくため、コンサルティングも含めた各種のサービスをご提供いたします。
【HiCEP法文献】
A sensitive transcriptome analysis method that can detect unknown transcripts.
Fukumura R., et al. Nucleic Acids Research, 2003, Vol. 31, No. 16 e94
HiCEP についてもっと詳しい情報は... (独)放射線医学総合研究所
HiCEP の受託解析については... メッセンジャー・スケープ株式会社
HiCEPの特徴
トランスクリプトーム解析手法として、EST解析・SAGE・DNAマイクロアレイ等がありますが、得られる発現変化遺伝子情報は限られており、またハイブリダイゼーションは、検出感度・再現性に限界があります。HiCEP法は、配列情報の有無に関わらず、試料間で転写発現レベルに差異がある遺伝子を高い再現性と感度で網羅的に比較検討・検出し、必要に応じて目的遺伝子配列を解析することができます。
高い再現性−低発現遺伝子から高発現遺伝子まで広いダイナミックレンジで高い再現性と感度を実現
図は、酵母から抽出したPoly(A)+RNAを4分割し、HiCEPの再現性を試験したものです。このように電気泳動装置から出力される波形データで比較しても、サンプル間に置ける高い再現性が実証されました。また、全ピークの95%以上が1.2倍以内の範囲で一致していますので、低発現の遺伝子から高発現の遺伝子まで、1.2倍以上の発現頻度差を有するPoly(A)+RNAが統計処理されていない波形データで観察可能であることが示唆されました。
ダイナミックレンジと実験再現性
高い網羅性−約70%の転写産物の発現頻度差を一度に測定可能
既知・未知に限らず、一度に約70%の転写産物=ヒトで約1万6000種類の転写産物すべてを“測定対象”として発現頻度差のある転写産物を選択することができる手法で、既存の方法では決して得られない高いカバー率を実現しています。
遺伝子資源非依存−どんな真核生物でも解析可能
HiCEP法は遺伝子資源化(塩基配列、cDNAクローンやライブラリ)を必要としないため、遺伝子資源の少ない生物種に適用することが可能で、しかも、高い感度と信頼性の高い発現プロファイル結果を得ることができます。
高い信頼性−RT-PCRと相関性が高い
HiCEPで測定された個々の転写物の変化率は、RT-PCRとの変化率と高い相関性を示します。つまり、HiCEPで測定された個々の転写産物の変化率の信頼性は高く、転写物全体の変化傾向についても正しい知見としてとらえることができ、次への研究ステップへ持ち込む転写産物の条件に適合した候補にHiCEPの測定結果で絞り込むことができます。
未知遺伝子も発見可能
HiCEP法は、試料中のmRNAを検出し、その量を比較する手法であります。これまでの受託実績の結果から、ヒトでも約20%の未知転写産物を得ることができています。
DNAマイクロアレイのユーザ様の声
非モデル生物でも適応可能
遺伝子情報の少ない生物種では、DNAマイクロアレイがそもそも使えない
DNAマイクロアレイを作成するためには、ゲノムを読んで、転写産物を読む必要がある
モデル生物でも、組織によってはアレイには載っていない遺伝子が発現するようだ
精度・信頼性に疑問がある
1比較では発現変動遺伝子が正確に判らない
低発現で変化する遺伝子、変化量の少ない遺伝子を検出できない
RT-PCRでの追試成績が良くない
フェノタイプが少し変わるときの発現変動遺伝子を確認できない
時系列解析等、条件で絞り込んで得られた発現変動遺伝子候補のほとんどが確認実験で落ちてしまう
解析に必要なRNA量の確保が難しい
HiCEPの手法の説明
(独)放射線医学総合研究所のHiCEP手法アニメーションはこちら
HiCEP技術の原理
HiCEPの受託解析サービス
サービスの種類
MS-Profiling [HiCEPプロファイルの測定とサンプル間の比較による特異的変動ピークの抽出]
1.お客様から頂いたRNAよりHiCEPピークデータを測定
2.波形データを解析し、サンプル間で変化するピークをリスト化
3.変動ピークリストと波形データ、ビューアー、遺伝子シミュレーションデータ(*)を納品
(*)ピークの由来遺伝子をオプションで予測します。
MS-Sequencing [HiCEPプロファイルピークのシーケンス解析]
1.変動ピークリストより、お客様・弊社の間で対象ピークをご指定
2.ダイレクトシーケンシング
3.TAクローニング
4.配列を納品
MS-Search [分取ピークの遺伝子予測]
・HiCEPフラグメントのシミュレーションデータベースを作成します。
・分取配列について、Blast検索等によりアノテーションを付与します。
・遺伝子名が決定できないピークについて、遺伝子に関する情報付与の試みを行います。
解析作業の流れ
HiCEP受託解析サービスの流れ
ご用意していただくRNA
・Total RNA として5μg (0.5μgも可能)
・AGPC法等一般的な方法で抽出し、QIAGEN RNeasy等のカラムで精製を行ってください。
・DNase処理を行ってください。

【RNA品質の目安】
・RNA濃度:0.5μg/μL以上
・精製純度:A260/A280=1.8〜2.0